マリアが天使ガブリエルから、あなたは救い主の
母となるのです、と言われる場面『 受胎告知 』。

　キリスト教徒にとって大変すばらしい場面です。
　聖母マリアと天使の画です。多くの画家たちが独
自の工夫をして描いた「受胎告知」を残しています。

　その中のひとつ、ニコラ・プッサン(1594〜1665)
の作品は次のことを理解して見ると感動的です。

　マリアは目をつむっています。その心に天使ガブ
リエルとそして聖霊が見えています。それ以外のも
のはマリアの意識から遠のいて闇の中にかくれてし
まっています。
　それは私たちが瞑目して主に祈るときの状態です。
霊である天使も聖霊も目をつむっているから見えて
いるのです。

　天使ガブリエルは、左手で聖霊をさし「聖霊が」
と言い、そして右手でマリアをさして「あなたに臨
みます」と伝えています。

　マリアは心の内で「主の御心の通りになります
ように」と答えています。その答え方はマリアが両
手を広げて主のみ旨を受けいれている姿なのです。
　
　画のなかでマリアの顔が天使よりも聖霊よりも明
るく美しく描かれています。

<参考>
　ニコラ・ブッサン(1594〜1665)　「受胎告知」
　ロンドン国立美術館 https://www.musey.net/11478