(1)
こんなジョークがあります。
まだ世界にアダムとイヴしかいなかったころ、
アダムに仲のよい女性がいるのではないかと思っ
たイヴは
「アダム私以外にだれか女性がいるのじゃない?」
「まさか、世界にはぼくたち二人きりじゃないか」
でもうたぐり深いイヴはアダムが寝ているときに
そのあばら骨をかぞえるのでした。
石黒マリーローズ 「キリスト教文化の常識」
ところで、生まれたとき私たちの全身の骨は300
ほどあり、成長する間にいくつかの骨はくっつい
て1つになります。成長すると骨の数は206個に減
少するそうです。
時として骨の融合がきちんと行われない場合があ
り、すると成人になっても骨の数はこのようには減
りません。成人の5%の人には余分な肋骨が認め
られます。しかもそれは男性のほうが女性よりもず
っと多いのです。だから「イヴはアダムの肋骨から
つくられた」という話になったのかもしれません。
M.ゴールドウィン 「先生を困らせた324の質問」
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(2)
聖書に十字架刑で死を早めるために罪人の脚の骨
を折る話があります。キリストはその前に亡くなっ
ていたので、骨を折られなかったのですが、これは、
復活のためにはすべての骨が無事であることが必
要だったという説明がされています。予言として詩
篇に次のように書かれているからです。
「主は彼の骨をことごとく守られる。
その一つだに折られることはない」 (詩篇34・20)
(3)
キリスト教の影響を強く受けている北欧の神話。
ロキという神がヤギにひかせた車に乗り旅をして
いました。ある民家に宿を借り、夕食にヤギを殺し
てその肉をふるまいます。
その時「骨は食べずに残すように」と言い渡します
が食いしん坊の息子は骨を割って中の髄を食べて
しまいます。
翌朝ロキが骨を集めて祝福をすると、ヤギは復活
して生き返るのですが、片足がびっこになってい
ます。それを見て、ロキが猛烈に怒ります。
これらの話から骨と命そして復活についてのキリ
スト教のとらえ方が理解できると思います。
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