イエス・キリスト の「イエス」は人の名前で
すが、「キリスト」は名前ではありません。

　ヘブライ語で｢メシア｣(油注がれた者)､ギリ
シャ語では｢ヒリストス｣(ＸＰＩΣＴＯΣ)とな
ります（ＸＰのページを参照）キリストという
言葉はここから来ています。

　油はオリーブ油が使われ、高級なものはかなり
値段が高かったようです。その話が聖書のいくつ
かの場面に出てきます。
　また宗教的儀式に使われ、王や祭司らの任命式
に使われました。ダビデが油を注がれて主に祝福
される場面は有名です。(ｻﾑｴﾙ記16.8-12･13)

　イエスを表すのに｢インマヌエル｣という言葉が
使われることがあります｡｢神われらと共にいます｣
の意味。預言者イザヤが｢見よ､おとめがみごもっ
て男の子を産むであろう｡その名はインマヌエル
と呼ばれるであろう｣(ｲｻﾞﾔ 7-14)と言った預言の
成就であるとされています。(ﾏﾀｲ1-23)

　ミサで、司祭が｢主はみなさんと共に｣と言い、
会衆が｢また司祭と共に｣と答える場面は､このこと
を理解しているとよくわかります。

私たちが日常使う｢イエス｣｢ノー｣の｢イエス｣ はも
ちろん｢イエス・キリスト｣から取られています。


参考
 ｢新約聖書小辞典｣ 新教出版者「インマヌエル」
 ｢聖書のシンボル50｣ ｵﾘｴﾝｽ宗教研究所
　　　　　　　　　　ﾐｼｪﾙ･ｸﾘｽﾁｬﾝ著「油」