ファラオの夢 (創世記37〜50章)  [PDF]

 創世記の最後の話。
 
 ヤコブの12人の息子のいちばん末のヨセフは
「兄さんたちの麦束が自分の麦束を拝んだ」と
夢で見た話をし、このことが兄たちの怒りをか
って、彼はエジプトに売られてしまいます。
  兄弟がヨセフを拝む夢 Youtube Part 9 
 ところがヨセフはその後エジプトでファラオ
の夢の謎を解き、出世して宰相になり、家族と
再会します。(創世記37-50)夢は7年間の豊
作とそれに続く7年間の凶作です。



 熱帯にあるエジプトはナイル川が毎年氾濫し
て豊かな穀倉地帯となっていました。ギリシャ
もローマ帝国も土地はやせていて、エジプトの
コムギを輸入しなければやっていけなかったの
です。ここにエジプトとギリシャ、ローマとの
さまざまな歴史が繰り広げられたことはご存知
のとおりです。

 物語はエジプトに起こった大飢饉が背景とな
っていますが、エジプト学者の吉村作治氏は
「古代エジプトでは、飢餓の状況というのは、
3000年で3回ぐらいしか記録がないんです
ね。ですから、よっぽど旱魃(かんばつ)がない
かぎり、飢餓はおきなかったのです。しかも水
源はナイル川で、アフリカの熱帯にあるのです
から、水量が安定していたんです。」
参照:岩波新書 増田善郎・吉村作治 「インカとエジプト」

 つまり千年に一度の大飢饉です。エジプト人
たちがファラオの夢の意味を解釈できなかった
のも当然です。ここにヨセフという人物が登場
し聖書の話は、アブラハムの子孫たちの物語か
らイスラエル民族の歴史へと変遷していきます。
神の計画がこんな形で実現されていくのだと理
解すると興味深いものがあります。
(Youtube) 『Joseph:ヨセフ』 (英語版) 全24
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